香港で居住用の賃貸物件を借りる場合の基礎知識

香港で居住用の賃貸物件を借りる場合の基礎知識
香港で居住用の賃貸物件を借りる場合の基礎知識として、賃貸物件の種類、物件資料の読み方、中途解約や更新のルール、家具や家電などの設備について、賃貸契約で必要となる費用や書類という項目に分けて説明していきます。香港でのマンション探しなどに役立つことができれば幸いです。
目次

賃貸物件の種類

香港の賃貸物件の種類は、分譲マンション、サービスアパートメント、村屋(ビレッジハウス)とあります。香港に引っ越したばかりの日本人の住居としては、セキュリティーがしっかりしていて、クラブハウスなどもある分譲マンションが一般的でおすすめですが、以下にそれぞれの特徴を紹介します。

賃貸物件の種類

分譲マンション

セキュリティーがしっかりしていて、スポーツジム、プールやキッズルームなどの設備が整うマンションで、部屋ごとに家主が異なる。
80年代くらいから次々と建設されるようになり、当初は大型が主流だったが、近年はエリアも規模もフレキシブルに、さまざまなスタイルが見られるようになった。日本人駐在員のほとんどがこのスタイルに住む。

サービスアパートメント

管理会社が一棟管理し、家具家電、生活用品、インターネットなど生活に必要な設備が揃い、ホテルのような室内清掃やコンシェルジュサービスが受けられるスタイルの住居。
スーツケース一つで生活が始められるのと、1か月単位で借りられるのも便利だが、賃料は一般住宅に比べて割高。1か月から1年未満の滞在とわかっていればサービスアパートメントを第一に考慮するのもいい。

村屋(ビレッジハウス)

郊外に多いスタイルで、だいたいが3階建ての一軒家といった外観だが、階ごとに独立していて3世帯が住んでいるスタイルが多い。
自然環境やベランダ、屋上、庭などが魅力的だが、利便性の面では劣り、公共交通機関の利用では移動に時間がかかるため、車を所有する人に向いている。

日本人が安心して住めるのは、分譲マンションかサービスアパートメントでしょう。その立地は様々で、駅から近ければ便利ですが、駅から離れていてもシャトルバスがあるところもあるため、自分の生活スタイルを考えつつ、駅近にこだわらず検討してもいいでしょう。
香港の不動産価格は高額で日本における賃貸料の感覚からすると、ほとんどの場合で東京中心部の市場価格を上回る金額になります。予算としては少なくとも15,000HKドル(2022年12月現在のレートで約262,000円)くらいの準備があったほうが安心です。それ以下の場合、12,000HKドル以上ならば、ビジネスホテルの部屋のような小ぶりの1Kのような物件ならば希望エリアで見つけられる可能性もありますが、10,000HKドル前後になると、都心部近郊の住宅地でセキュリティー面でも安心できるお部屋探しは難しくなります。 当社ではお客様一人ひとりのご要望に合わせて、最適のお部屋探しを心掛けております。いろいろお尋ねくださいますよう、お願い申し上げます。

賃貸物件資料の読み方

賃貸物件資料をもらうと、見慣れぬ表記が並んでいて戸惑うかもしれません。以下に香港不動産業界特有の表現を説明します。
sq.ft.(スクエアフィート)

面積を表す単位。平米数(㎡)に置き換える計算式は、スクエアフィート(sq.ft.)×0.093=平米数(㎡)。
(例: 500sq.ft.=500×0.093=46.5平米)

Gross(グロス)

建築面積と表記され、エレベーターホール、通路、階段などの共有スペースを含む。かつてはグロスでしか表記されなかったが、何年か前からNet(ネット)の実用面積の表記が義務付けられた。

Net(ネット)

実用面積と表記され、実際に使用することのできる室内の面積を表す。建築面積に対する実用面積率は、共有スペースの多い築浅マンションの場合、だいたい70%くらいで、共有スペースのない古い住宅になると80~90%くらい。

Bedroom(ベッドルーム)

間取りは、ベッドルーム数を基本として数える。2ベッドルーム以上の場合、Master Bedroom(マスターベッドルーム)とSingle Bedroom(シングルベッドルーム)と区別することが多く、前者が主寝室で少し広めということが多い。日本のように1K、1DK、1LDKといった表現はせず、基本、部屋の数を数えるのみである。

Studio(スタジオ)

日本で言うところのワンルームだが、もう少し小ぶりの部屋が多い。

Maid Room(ホームヘルパールーム)

3ベッドルーム以上のフラットにだいたい付いている小部屋。家政婦用の小さな空間でシャワーとトイレが付いており、部屋によってはベッドがビルトインとなっているところもある。ヘルパーがいない場合、収納部屋として使われることも多い。

賃貸契約期間、契約の中途解約や更新

■ 賃貸契約期間

基本の契約形態は「2年契約(1年固定、1年オプション)」です。
家主と合意さえできれば、「1年契約」や「短期契約」もあり得ますが、ここでは基本的な契約について説明します。

一般的な契約期間の2年のうち、最初の1年は固定期間でどちらからも解約することはできません。

2年目はオプション付きで相手方へ通知することによりどちらからも解約することができます。通知から解約まで期間を通知期間と言い、一般的な通知期間は1~2か月となっており、条件交渉のときにどちらにするか必ず決めます。この期間は固定期間の後ろに付くので、実質的には12か月+通知期間、つまり13か月か14か月分の賃料は必ず支払わないといけないということになります。
また、レントフリー期間というのが5日から1週間が契約期間の前に付き、鍵を早めにもらえる香港特有の習慣もあります。

例)契約期間が2023年4月1日〜2025年3月31日(通知期間2か月)
2023年3月25日(レントフリー)
鍵の引き渡し
2023年4月1日
賃料発生
2024年3月31日
1年終了
2024年5月31日
最短の解約可能日
2025年3月31日
契約満期日
■ 契約の更新
2年の契約期間が終了も間近になり、引き続き住み続けたい場合は、契約更新を家主と話し合います。満期終了日の2か月前くらいには更新の意思を家主に伝えるくらいがいいでしょう。
無事に2年が過ぎ、関係も円満であれば、大きな問題なく更新できることがほとんどですが、家主の親族や友人などが住みたいという事情があったりすると、家主からの解約もあり得るので、気持ちの準備はしながら交渉しましょう。
契約の更新

更新に当たってはどちらも要求を出すのが一般的で、家主からの要求は賃料の値上げが、借り主からは家具家電のメンテナンスや追加、エアコン清掃などの要望を出すのが一般的です。

当社ではお客様のご希望を細かく伺い、家主との契約交渉に当たります。新規でも更新でも、なんなりとご希望をお伝えください。

■ 契約の中途解約

オプション期間の解約

契約で決められた通知期間を守り、書面で解約通知を家主に送ります。不動産会社に相談しながら進めますが、まずは解約する日を定め、通知期間を考慮した日にちで通知を作成。データを家主にすぐ送信、その後に郵送で原本を送るといいでしょう。

固定期間の解約

固定期間中は解約できないのが基本ですから、会社契約ならば後任スタッフが入居するなど契約は維持するほうがいいですが、どうしても後任もいない場合は違約金を支払っても家主に返却するほうが無難です。契約書通りだと残存期間全部の賃料が違約金になりますが、家主によってはデポジットの没収+ある程度の違約金で解約に応じる場合もあり、この交渉も代理エージェントに相談してみるといいでしょう

解約通知書などの雛形も取りそろえております。固定期間における解約のサポートについては難易度の少々高い交渉が必要になりますので、別途、手数料をいただいております。

賃貸物件の家具・家電・設備について

香港の賃貸物件は部屋ごとに家主が異なる分譲マンションがほとんどで、不動産会社などが管理するマンションはほとんどなく、全家具付きはサービスアパートメント以外、一般的ではありません。家具の付いていない部屋でも必ずある設備は、エアコン(冷房機能だけというのも多い)、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、レンジなどのキッチン設備などです。

賃貸物件の家具・家電・設備について

家主に提供を交渉したい家具家電類としては、まずはベッド、ダイニングセット、ソファなどの大型家具を中心に、テレビ台、クローゼット(ビルトインがない部屋も多い)などがいいでしょう。家電は、テレビ、除湿機などの要求することになります。退去の際に処分しやすい(売りやすい、もらってもらいやすい)アイテムは自前で購入しても負担は少ないですが、上記に挙げた家具と家電類は家主に付けてもらうことが理想的です。

家主への家具提供の交渉も当社では行っております。ご相談いただけますよう、お願い申し上げます。

賃貸契約時の必要費用

仮契約時
合意した賃料1か月分の仮契約金(2か月分の保証金の1か月分)
本契約時
合意した賃料2か月分の契約金(保証金の残りの1か月分と初月賃料)
印紙代
不動産会社に支払う仲介手数料(賃料の0.5ヶ月分が一般的)

賃貸契約時の必要費用

個人契約
※契約締結時、借主本人が面前で署名する必要があります
法人契約
※契約締結時、借主の役員が面前で署名と捺印をする必要があります
当社では、新規のご契約の場合で賃料の50%、更新の場合は賃料の25%の仲介手数料を頂戴しております。

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