香港賃貸の印紙税とは?計算と負担解説

    香港の賃貸契約では、印紙税の納付が契約の法的効力を左右します。税率や計算方法、更新時のポイントまで、安心して契約を進めるための基本をわかりやすくまとめました。印紙税の基本を押さえて、香港での不動産契約をスムーズに進めましょう。


    印紙税って何?役割と支払主体

    印紙税(Stamp Duty)は、香港の賃貸契約に法的な効力を持たせるために必要な税金です。支払われていない契約は、裁判などで正式な証拠と認められないこともあります。通常、この税金は借主と貸主で折半して支払います。

    賃貸契約の印紙税の税率目安

    契約期間に応じて印紙税の税率が変動します。主な目安は以下の通りです。

    契約期間

    税率(年賃料)

    1年以下

    0.25%×契約期間中の賃料合計

    1〜3年

    0.5%×年額賃料の平均額

    3年以上

    1%×年額賃料の平均額

    印紙税額は賃貸物件の契約期間(フィックス期間とオプション期間の両方)により変動します。

    実際の印紙税計算例(賃料2万HKD)

    香港では居住用契約が2年、オフィス・商業用では3年以上が一般的です。以下に計算例を紹介します。

    ■ 1年契約の場合

    25,000 HKD × 12ヶ月 × 0.25% = 750 HKD

    ■ 2年契約の場合

    25,000 HKD × 12ヶ月 × 0.5% = 1,500 HKD

    ■ 4年契約(年ごとに賃料が異なる場合)

    オフィスや店舗では、年次ごとに家賃が変動することがあります。
    このような場合は「年間賃料の平均 × 税率1%」で印紙税を算出します。

    • 1年目:25,000 HKD × 12ヶ月 = 300,000 HKD
    • 2年目:27,000 HKD × 12ヶ月 = 324,000 HKD
    • 3年目:29,000 HKD × 12ヶ月 = 348,000 HKD
    • 4年目:31,000 HKD × 12ヶ月 = 372,000 HKD

    【平均年額賃料】
    (300,000 + 324,000 + 348,000 + 372,000) ÷ 4 = 336,000 HKD

    【印紙税】
    336,000 HKD × 1% = 3,360 HKD

    契約更新時の印紙税について

    印紙税は一度契約して終わりではなく、更新時にも納付が求められます。更新契約の期間によっては、税率が初回契約よりも高くなるケースもあるため、更新内容に応じた税額をあらかじめ把握しておくと安心です。

    支払いの窓口と注意点

    印紙税の支払いは、通常仲介会社を通じて行われますが、希望すれば香港政府へ直接納付することも可能です。賃貸・売買など様態により対応も異なるため、事前に誰がどのタイミングで支払うか確認しておくことが大切です。

    まとめ

    印紙税は、香港賃貸契約における「法的効力」を確保するための重要な要素です。トラブルを避け、契約を円滑に進めるためにも、契約期間に応じた税率や支払方法を事前に把握しておくことが大切です。
    印紙税についてご不明な点がありましたら、どうぞお気軽に当社までご相談ください。